「アドラーおばあちゃん」をもとに


<はじめに>

 私は、「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」を読み、アドラー心理学では、人はなにかしらの「目的」に沿って生きている。

 人は、過去に囚われないで、人生の目標に向かって生きることが出来ると。

 

 私自身、幼い時は人生の目標が見えなくて、二十歳過ぎても右往左往の人生であった。また、勉強嫌いで、人見知り、家族以外には自分の思っていることが言えない内弁慶でした。学業では、人生目標が見えなく、いろいろな仕事に挑戦して、たくさんの失敗をしていくうちに、性格も変わり、色々な仕事を取得していくなか、パソコンの仕事に落ち着き、現在パソコン講師やセミナー講師をしている。

 

 アドラー心理学を知ったのは、ある協会に入りいろいろな人と話したり、成功事例の講演を聞いたりした。この協会の講演では、解決策(PDCA)が見えなかった。

 何か良い方法があるのではないかと、調べはじめたところ世の中にいろいろな「トヨタのカイゼン」ようなカイゼン方法があることを知ったが、不足を感じた。

 

 永年のサラリーマン生活で、試行錯誤しながら、無い知識から絞り出して活動した。やはりサラリーマンだけでなくすべての人生の課題が、人間関係と感じていた。人は、共同生活をしている以上、人間関係の悩みは、必ずあります。

 

 「嫌われる勇気」などでは、人生を悩んでいる青年が主人公で、会社での人間関係にどのように活用したら良いかわかりにくかった。

 今回「アドラーおばあちゃん」は、20〜30代女性が主人公で会社での悩みで、身近に感じる題材だったからです。

 お楽しみください。


【アルフレッド・アドラーさんの紹介】

 

 アドラーは、あの有名な心理学者フロイトやユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」と称されている。しかし、アドラーの名前だけ知らない人が多いのでは

 それは、アドラーさんの著書が少ない上に翻訳が難しく、弟子やアドラー学者が少ないこと、体系的に理解しにくいなどの理由で日本ではあまり知られていない。

 

 著者も理解するため、いろいろな書物を読んだりして、自分のものにしようとしたが、なんとなくわかった気はするが、“自分の心の中にまで届かなかった。”

 気合を入れ、アドラーのノウハウを使えるように整理して、わかりやすく物語にしようとした著書が、本書です。

 

 アドラーについて調べていくうちに元中学教員教員という経歴から、アドラー心理学を教えることにより、子育てや人間関係に役立てることを実践している土井一江さんと巡り合い、アドラー心理学を理解するきっかけになったのです。

 

 人は、本当に悩んで色々調べたり、探してたり努力することで、助けてくれる人が現れるのです。

 

 著者が感じたのは、アドラー心理学には、生きるのがラクになるような”栄養”がいっぱい詰まっていることを知ったのです。

 

 本書はとくに、無限の可能性を秘めた若い大切な時期、「人間関係に悩んでいて、やりたいことができない」と一歩踏み出せないでいる20〜30代の方にアドラー心理学を使ってもらいたいのです。

 そのために、”静香”という若い女性を主人公にしています。アドラー心理学の権化のような強烈キャラの”よし子ちゃん”に刺激を受け、大学でアドラー心理学を教えていた”静香のおばあちゃん”にヒントをもらいながら、静かは少しずつ成長していきます。

 本書の中で、”静香”が対人関係の絡み合った意図が解きほぐされていき、心が軽くなっていく瞬間を物語の世界で擬似体験して欲しいと。

 もちろん、

 ・子育てのお母さんにも、

 ・会社で人間関係に悩むサラリーマンにも、

 ・歳を重ねて「あちらを立てれば、こちらが立たず」と人間関係に翻弄されている中高年の方にも、

アドラー心理学は有効ですと。


【プロローグ】

 主人公は、女性32歳独身。会社まで1時間半かかる郊外に住む楽子おばあちゃんと住むことになり、実家から移った。

 楽子おばあちゃんは、母方の祖母の妹。本当の祖母は、主人公が2歳の時に亡くなり、以来、この楽子おばあちゃんのことを主人公は”おばあちゃん”と読んでいる。

 おばあちゃんは愛嬌があって、すっごくカワイイ。

 おばあちゃんは10年ぐらい前まで東京の私立大学の教授をしていて感覚が若い。

 大学では心理学を教えていたらしいけど、詳しくは知らない。

 主人公は、一緒に住んで何の恩恵もなさそうと思っていた。

 

 主人公は、毎日カリカリ、悶々としていた主人公は、おばあちゃんと会話することで癒された。主人公が夕飯の食卓でその日にあった出来事を報告すると、のんびりと答えてくれた。

 「へぇ〜、そうなんだぁ〜」

 両親と暮らしていたときは、ものすごい勢いで説教され、挙げ句の果てには責められた。けれど、おばあちゃんはいい。

 「へぇ〜、そうなんだぁ〜」

 癒され、とりあえずホッとする。

 でも、おばあちゃんはただのクッションではなかった。「へぇ〜、そうなんだぁ〜」の後に続く、「で、静香はどうしたいんだい?」という質問から始まって、最後には主人公のモヤモヤした人間関係の悩みをときほぐしてしまう。

 おばあちゃんが習得した「アドラー心理学」が発揮される。

 「人の悩みのほとんどは人間関係の悩み。アドラー心理学を使えるようになると、ほとんどの悩みは解決する。すると、世界がシンプルになって、自分らしく自由に生きられるようになる」

 「自由に生きるためには覚悟と勇気がいる」

 それは、『自由とは、他者から嫌われることである』というぐらいだからと

 主人公は、誰からも嫌われたくないと思っているが、おばあちゃんはだからこそ、アドラー心理学を身につけて欲しいと思っている。

 

 私は、小学校のころ悩んでいたことの解決策がここにあった。


【背景】

 主人公は、出版社の取次会社。出版社と書店の間に入って、書籍や雑誌などを出版社から仕入れ、書店に卸売りする、いわば”本の問屋”。

 文学部を卒業した本好きの主人公は、本の匂いに包まれら、常に新刊書籍に最初にお目にかかれる取次会社が、夢の広がる職場。だが、10年目ともなると、広がるはずだった夢も思うように広がらないことがわかってくるとき。

 そんな入社10年目の4月1日。新入社員が入社。それが主人公の生き方を変えるきっかけになった”彼女”がいた。

 新入社員の名前は、荒巻よし子。中途採用らしいが、過去の経歴も年齢もいまのところ不詳。

 肌年齢で推測すると主人公より年下に見えるが、時々見せるすさまじいおばさんオーラは、見せる。もっともインパクトあるのは、そのサイズ、巨体身長170センチを超えている。横にも立派に育っていて、太り切っていない新人力士のよう。

 髪型も、力士が髷を結ぶために伸ばしているようなボブ。

 

 新人の彼女が初めて自己紹介したとき、課内の全員が明らかに戸惑った。

 「荒巻よし子です。よし子ちゃんと読んでくださ〜い。前の会社でも、よし子ちゃんと呼ばれて可愛がられていましたから」

 その場の空気が一瞬凍りついた。主人公も「大変な新人が入ってきた」とブルった。その静寂を破って、拍手したのは、同期の乃木紀太。紀太は課内で一番のお調子者で、主人公のかんにさわる”イライラパーソン”の一人。それなのに、課内ではセットで呼ばれることもあって、ウザい存在。

 主人公と同じチームに配属された。

 課長は、板井課長。課内の15人のメンバー全員が「本当にイタイ」といつも言われる嫌われ上司。しょっちゅう、怒っている。主人公の会社生活を暗くしている一因でもある。

 主人公によし子ちゃんが、挨拶したとき主人公の目に飛び込んできたのは、頭を下げたよし子ちゃんの不適な微笑み。

 

 私は、何回か転職してるが、転職先での最初の挨拶は、いつもドキドキ。どんな巡り合わせになるのか?楽しみでもあり、怖さでもあるが、今までとは違った共同体(アドラー心理学で使われる)で新しい未来の始まりだ。


【第一章 思ったこと、言っていいの?】

 主人公は、家に帰ると、おばあちゃんは、

 「どうだっった? 今日も楽しい一日だったかい?」

 大型新人よし子ちゃんが入社してきたこと話した。

 よし子ちゃんの行動が、いちいちスゴイと。営業促進課の会議があり、新人なのに思ったことをどんどん発言すると。

 おばあちゃんは、「会議で発言することは、いいことじゃないの?」

 主人公は、「入社したばかりで、まだ仕事のことを何も知らない。だから、的外れなことも多いけど、とにかく『こんなことを言ったら、みんなにバカにされるかな?』とか『恥ずかしいから言わないでおこう』・・・・とか思っているそぶりも気配もないの」と

 おばあちゃんは、なぜ遠慮したり、楽したり、恥ずかしがるのか?

 静香がよし子ちゃんみたいに何でも言えるようにかわりたいのかい?と

 

 静香は、変わりたいと思っているが、性格はすぐに変われないものとも思っている。

 「性格・・・・ね。アドラー心理学では、それを『ライフスタイル』と言って、帰ることができるんだけどね」

 

 性格は、変えられないと思われているが、アドラー心理学では「ライフスタイル」と言って性格だけでなく、その人の生き方であり、シベて自分自身が作っているものなのです。役者が、役柄を作るように。

 私自身、幼少期からは性格も行き方も、家族や周りの人々により変わってきました。特に家族の影響は、大きく私の人生を変えて一時は振り回されていました。今は、私自身の幸福を考え、生き方を死ぬときに幸せな人生だったと思えるように変えてきました。


ー つづく(不定期)-